柿の租皮削り(2016/3/17)

みなさん、こんにちは。でらうま柿農園 富有柿.comです。

昨日まで朝晩はまだダウンジャケットが必要なほど寒かったですが、本日は急に暖かくなってきました。4月の暖かさだったようで、日中はポカポカ気持ちいい天気でした♪

そんな春の日差しを浴びて、いよいよ柿の芽が膨らんできました! 今年の柿の生育が始まりました!! まずは最新の柿畑の様子をご覧ください。


2016/3/15の柿畑-001

3/15です。芽の先端が白っぽくなっています。芽を覆っていた硬い部分がはがれ、葉っぱや梢が伸びてきます。


2016/3/17の柿畑-001

3/17です。白い部分が広がり、先端が膨らんできたのがわかります。ここからさらに膨らんで、月末には緑の新しい葉や梢も見えてきます。いよいよ今年の生育が始まったと思うと、気分も向上してきます♪

さて、2月末に剪定と確定申告が無事に終わり、3月上旬~中旬は租皮削りをやっています。

租皮削りとは柿の木の皮を削る作業です。外側の皮は人間の肌の角質のように厚くなり、ヒビが入ります。その中に害虫が入り越冬し、翌年には多く発生する原因となります。また、柿の木を食べてしまう害虫もいまして、木がボロボロになっていきます。それらを削る作業です。まずは写真をご覧ください。


2016/3/1の柿畑、租皮-001

この写真の左側が厚くなった租皮で、中央から右側が食害されている部分です。皮が黒くなったり、皮の裏には細かい粒があります。これは幼虫の糞です。糞のある場所の近辺にはたいてい幼虫がいます。

この租皮削りには大きく2つのやり方があります。ひとつは、数年に一度、木全体を高圧放水器を使い洗浄する方法で、もうひとつが手作業でカリカリと削る作業です。3月最初にまず高圧放水器を使った作業をしました。


2016/3/1の柿畑、租皮削り-001

3/1です。洗車機のようなイメージですが、もう少し圧力が高いです。近距離で当て続けると、木に穴をあけてしまうくらい強力な圧力です。そんな強烈な水流を、適度な距離を取り滑らかに当てて、租皮を吹き飛ばします。水やバラバラになった租皮が跳ね返ってきますので、カッパを着てやります。


2016/3/1の柿畑、租皮削り-002

この水流は、上下左右と全方向から当てなければならないので、高い枝は脚立に登って上からもやります。租皮が取れると、茶色の肌が見えてきます。この日は最後に雪の降った日で、とても寒かったのを覚えています(笑)


2016/3/1の柿畑、租皮-002

機械での作業が終わっても、食害された部分は取りきれません。写真のような枝の分岐部分に発生しやすいので、こちらは手作業で毎年行います。


2016/3/4の柿畑、租皮削り-003

このような原始的な道具を使います(笑) ひたすらカリカリと削ります。地味ですが、意外に力が要ります。立ちっぱなしですし、一日やっているとけっこう疲れます。また、風向きによっては粉が顔に飛んできて、目に入るととても痛いです(笑)

そして、糞のある辺りを削ると、奥から幼虫が出てきます。次の2枚の写真には幼虫が写っていますので、虫が苦手な方は飛ばしてくださいね。


2016/3/4の柿畑ヒメコスカシバの幼虫-001

ヒメコスカシバという虫の幼虫です。6月に蛹から成虫になり、再び繁殖します。近年、この樹幹害虫が大量に発生しており深刻な問題になりつつあります。発見したら処分しておく必要があります。


2016/3/4の柿畑ヒメコスカシバの幼虫-002

このように木の太い部分にもいますが、細い枝の分岐部分にもたくさんいます。枝を食害されるとよい実も成らなくなります。枝の分岐部分は剪定中もノコギリで削っています。効果的です。

租皮削りの簡単な説明は以上です。実はこの作業をやらなくなっている農家さんが増えつつあります。機械の準備や、手間を考えるとやれないというのも現実です。ただ、成虫は飛んでやってくるので毎年繰り返しになってしまいます。なかなか難しい問題です。


2016/3/15の柿畑-001

畑では草もだいぶ伸びてきました。殺風景だった畑も、春の訪れとともに徐々に緑に染まります。

それでは今日はここで終わります。そろそろ桜も開花しますね。楽しみです(^^)

にほんブログ村 花・園芸ブログ 果樹・野菜農家へ
にほんブログ村


農業・畜産 ブログランキングへ

————————————————————————————————
富有柿発祥の岐阜県より、採れたて富有柿をお送りします
後藤柿農園の産直・通販サイト でらうま柿農園 富有柿.com
————————————————————————————————

剪定終了! 隣の柿畑を借りました…(2016/3/1)

みなさん、こんにちは。でらうま柿農園 富有柿.comです。

気が付くと、もう3月となってしまいました。2月中旬~後半は比較的暖かい日が多かったように思いますが、昨晩は冬の寒波で岐阜でも少し雪が降りました。

「今年最後の雪かな~」と思うと惜しくなります。それでも外の作業をしていると、寒くて凍えそうになってやっぱり暖かくなってほしいと思ってしまいますね(笑)

さて、2月は剪定と施肥を中心に、租皮削りや確定申告の準備をやっていました。年間では3番目に忙しい時期です(1番は11月前後の収穫と発送、2番は4月末から5月いっぱいの摘蕾です)。

剪定が終わった2月下旬に、隣の畑の方から管理を頼まれました。この畑、2014年の収穫後におじいさんが亡くなられてから全くの手つかずで、昨年の秋には無残な状態でした。柿畑は1年管理しないだけで様相が一変します。


2015/10/6の柿畑-001

無管理の柿畑を見られる機会はなかなかないので、後学のために昨年10月、こっそり写真を撮っておりました。果実は数が多過ぎてサイズもS以下の小さなものばかりです。


2016/2/22の隣の柿畑-001

果実が多過ぎたため、今年の芽も養分が不足し、とても小さくなります。今年の収穫はほとんど期待できません。


2016/2/22の隣の柿畑-002

木もボロボロになっています。


2016/2/22の隣の柿畑-003

枝も伸び放題ですが、養分や光量不足で曲がったり垂れ下がっています。


2016/2/22の隣の柿畑-004

垂れ下がった枝を整理し、何とか形になりました。今年しっかりと葉っぱが出れば、来年にはまた収穫できると思います。

こんな状況の畑で作業をしながら、いろいろなことを思いました。

現在、岐阜県の富有柿の担い手の多くは高齢者です。70代や80代の方が中心にやっています(当農園の代表である父は66歳ですが、まだ若い方です)。その方たちができなくなると、次の世代に引き継がれずに放置され、伐採される柿畑が増えています。切り株だらけの畑を見ると、とても悲しく思います。

そうなってしまうのは、柿の生産性や収益性の低さだと思います。他の仕事をしながらだと手が回らない、しかし専業でやるほど稼げない。だからもう止めよう…。そして切られてしまったら、果樹は植え直しても収穫まで5年はかかります。ですので、もう再開されることはありません。

こんな現状をなんとか打開したいと思っています。この畑は今年の収穫は期待できませんが、木を伐採する前にお話をいただけてよかったです^^ 来年には復活できるようにお世話したいと思います! 農業ではどこでもある話だと思いますが、少しでもお役にたてるように頑張りたいです。

さて、少し暗い話もありましたが、畑は春の足音が近づいています。


2016/2/22の柿畑-005

堆肥を撒いたばかりの畑です。草が徐々に大きくなっています。肥料のことはまた次回に!


2016/2/23の柿畑

そして足元を見ると、もう花が少し咲いています。オオイヌノフグリといいます。

今週後半には少し暖かくなってくるそうです。今月下旬には芽から梢や葉っぱが出てきます。少し作業も落ち着きますので、今月は何回か更新しながらいろいろとお伝えしたいと思います。

それでは、風邪をひかぬよう暖かくしながら、陽気な春を待ちましょう!

にほんブログ村 花・園芸ブログ 果樹・野菜農家へ
にほんブログ村


農業・畜産 ブログランキングへ

————————————————————————————————
富有柿発祥の岐阜県より、採れたて富有柿をお送りします
後藤柿農園の産直・通販サイト でらうま柿農園 富有柿.com
————————————————————————————————