みなさん、こんにちは。でらうま柿農園 富有柿.comです。
あっという間に1月も後半ですね。今年の冬はなんとなく寒さが厳しいように感じます。昨日は首都圏でも雪が降り積もっていましたが、岐阜県平野部でもすでに何度か降雪がありました。昨日も今日も降っており、今日は少し積もっています。運転などには注意したいですね。
そんな中ですが、柿の木の剪定をやっています。今回は大切な冬の作業である剪定を中心に1月の柿畑や農園の様子をお伝えいたします!!(画像をクリックすると写真が拡大されます)
1/12です。私は正月明けからず~っと剪定をやっていますが、今日は父が肥料をやりました。まず最初に苦土石灰やヨウ燐といった土壌改良材を与えます。日本では酸性雨が降りやすいため土のpHを調整するという目的と、植物にとって大切な肥料である石灰やマグネシウムを補給します。弊農園ではカキガラやマグネシウムも単体で少し補充しています。マグネシウムは葉緑素のもとになる物質ですので大切な肥料分です。
肥料に関してはまた別の機会に書きたいと思いますが、弊農園では最初に土壌改良材を入れ柿が生育しやすい環境を作り、次に2月前半に堆肥を撒いて微生物やミミズなどの虫を増やします。土が元気になったら最後に2月末~3月初めに有機配合の元肥を撒いています。できるだけ土を柔らかくしたいので、有機農業の考えをたくさん取り入れています。
同じく1/12です。先の写真から3時間ほどたって、曇ってきたなぁと思っていたら大量に雪が降ってきました! お隣の畑では80歳ほどのおじいさんが頑張ってやっていたので私も負けじとやっていましたが、さすがにこれだけ降ってきたので中止です(笑)
夜にはこんな感じで柿の木にも積もっていました~。雪は大好きなんですが、日中は作業ができなくなるのでできるだけ降らないでほしいですね。それでも、今年は翌日の昼にはほとんど溶けてしまうので、まったく作業ができない日はほとんどなく助かっています。
さて、それでは剪定の話に入りたいと思います。今回はちょっと長くなりそうですが、興味のある方はどうぞ読んでください。ただ、剪定の細かい部分ま書くととても長くなるので、よろしかったら昨年の記事もあわせてお読みください。
富有柿の剪定 その1 骨格市を決めよう(2017/2/5)
富有柿の剪定 その2 結果母枝、側枝を整理しよう(2017/2/20)
これは昨年の剪定後の写真です(2017/1/25)。これが1年たつとどうなるかというと・・・
このように、元の枝は伸びながら新しい枝を四方八方に伸ばし、主枝からも新しい枝がたくさん生えてきて、再びモジャモジャになっています。
剪定後です。骨格枝が出来上がっていれば、あとは先端をできるだけまっすぐに伸ばし、左右に適度な間隔を空けて結果母枝や側枝を配置します。先端から見てハの字型になっているのが理想とされています。ちなみにこの写真は先の雪景色の翌日(1/13)です。昨日の雪もあっという間に溶けました♪
上と同じ枝を正面から見上げています。中央が先端ですね。先の方の垂れてきた枝や右の長くなったを間引きました。すると・・・
こんな感じでスッキリします♪ 切りすぎと思っても、春には各枝からたくさんの新梢が伸びてきますし、主枝からも新しい枝が生えてきて緑でびっしりとなります。また、写真ではわかり辛いですが、右下から伸びているのが亜主枝です。亜主枝も同じようにやりますが、主枝より強くならないよう少し低めに作ります。
あ、左の木はほとんど手入れがされてないですね。「偉そうに書いてるけどどうなっとんねん!」と思われるかもしれませんが、これは富有柿ではなく受粉用の雄花の柿の木です。受粉樹は自然に任せて育て、伸びた枝を適当に間引く程度の剪定で大丈夫です。では次に行きましょう!
このようになります! この木は先端が高くなってきたので少し下の枝に更新して低くしようと思い、予備枝を残していました。予備枝とは、普段は切る位置の枝を予備として残した枝のことです。先端が高くなりすぎたり、他の位置に新しい枝を作る場合などに使用します。
今回は先端が思ったより伸びなかったので、側枝として利用することにしました。枝がどれだけ伸びるかや、どの位置に生えてくるかの予想は外れることも多々ありますので、その都度修正していい形に作ればいいと思います。
ただ、結果母枝という枝には先端の方しか柿が実る芽がありません。間違っても「ちょっと長いから短くしよ~」と枝を切り詰めたりしてはいけません! 柿が実らなくなりますので・・・(笑)
ところで、昨年の記事にも書きましたが、剪定ではとにかく主枝や亜主枝といった骨格枝を作ることが大切だと思います。それが決まっていればあとは簡単なのですが、骨格枝が上手くできていないと剪定も時間がかかり、作業もやり辛いです。とはいえ、実際には教科書のようにまっすぐ主枝や亜主枝が伸びている枝ばかりではありませんね。
骨格枝ができない一番多い原因は、側枝がたくさんありすぎてどこが主枝なのかわからない場合だと思います。切るのがもったいなくて、どんどん伸びてしまったパターンです。これはよい写真が用意できませんでしたが、とにかく根元からできるだけまっすぐな位置にある枝を先端として残し、他の長い側枝はしっかり間引くことが大切だと思います。数年もすればいい形に修正できます。
他に骨格枝が上手くできないのはいくつかパターンがありますが、その一つがこのように主枝がグニャグニャ曲がっている枝です。何十年と育っている木ですので他の人がこのように剪定してしまったのですね。おそらく祖父がやっていたのだと思いますが、これはもうどうしようもできません(笑)
この場合は諦めてそのままにするか、根元から出てきた新しい枝をまっすぐ伸ばし、ある程度育ったら更新するやり方があります。この木はどの枝もグニャグニャですので、何本も新しい枝を伸ばしているのでゴチャゴチャですね(笑) あと数年かけて、新しい枝に更新します。新しい枝は勢いよく上に伸びますので、下に引っ張っることもありますし、生育を邪魔しないように元の枝は少な目にしています。また、根元が虫に食われやすいので、食われたら切除してまた新しい枝が育つのを気長に待ちます。
他に多いのが、このように虫に食われたり、枝が日焼けしてボロボロになっているものです。すぐにダメになるわけではないですが、これも新しい枝を伸ばして更新するのがいいかと思います。
これは真ん中あたりで下向きになっていますね。実は曲がったところに次の先端候補のいい枝を予備枝として残してあったのですが、虫に食われて折れてしまいました。このように先端やその候補が喪失することもあります。ジタバタしても仕方ないですので、また今年いい場所に新しい枝が生えてきたらその枝を活かします。
剪定に関しては毎年いろいろと書いていますが、全然書き足りませんね。弊農園にも父や祖父がやっていた個所や新しく借りた畑には直したい部分がたくさんあります。私の技術ももまだまだですが、少しでも日当たりや風通しがよく、品質のよい柿がたくさん採れるような剪定ができたらと思います。その上で、今ある樹形を上手く利用しつつ、理想の形に近づけていきたいです。ここが剪定の難しくもあり、面白くもある所です!
1/23です。この日は途中で何度も雨が降っり、夕方は雪も降りました。しかし雨の後に日が差したとき、水滴に太陽光が当たってとてもキレイな写真が撮影できました♪
1/24です。今年最強の寒波が襲来し、昨日から全国的に荒れた天気でした。昼間は晴れていましたが、風が強くとても寒かったです。そして14時過ぎに雪が降りだしました。かなりの勢いで降りまして、19時には5センチほど積もり道路も雪に覆われています。明日は凍結が心配ですね。
まぁ今日は早く仕事を切り上げたのでようやくブログを更新できました。富有柿の剪定なんてマニアックな話ですよね(笑) でも意外と剪定の記事は人気があるのです。私の拙い知識ですが、お役に立てたらと思います。弊農園ではようやく4割ほど完了しました。来月後半までにすべて終わる予定です。
それでは冬真っただ中で寒い日が続きますが、どうか皆さま体調管理や車の運転などには気を付けてお過ごしください! ごきげんよう(^^)/
(追記)
1/24の昼過ぎから降り出した雪ですが、今回は10センチほど積もりました。一晩で景色が一変していましたので、カメラを片手に飛び出しました^^ 白く染まった柿畑と青い空の組み合わせは滅多に見られません! キレイですね♪ あ、それでも道路は凍結気味だったので、運転にはくれぐれも注意してください!
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富有柿発祥の岐阜県より、採れたて富有柿をお送りします
後藤柿農園の産直・通販サイト でらうま柿農園 富有柿.com
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