豪雨後は一転して猛暑と日照り・・・(2018/7/25)

みなさん、こんにちは。でらうま柿農園 富有柿.comです。

西日本を中心にした豪雨から2週間が経ちました。その後は一転して猛暑です。全国的に災害レベルの猛暑です。各メディアでも報じられていますが、くれぐれも熱中症にはご注意ください。わが岐阜県は連日38度~40度の猛暑が続き、すっかり全国的にも有名になりました。

さて、柿畑では豪雨前から摘果(てっか)という収穫に向けた作業を行っていました。摘果はほぼ終わっており、例年なら少しゆっくりできる時期ですが、今年は他の作業がずっと入っています。それは水やりです。今回はそんな夏前半の作業を中心にお届けいたします!(画像をクリックすると写真が拡大されます)


2018/7/9の柿畑-005

その前に、前回書ききれなかった追肥についてです。この時期の柿の生育は、果実を大きくさせると同時に来年の花芽の準備に入っています。そのため、根からの養分吸収がとても活発になっています。同時に、春に与えた元肥の肥料分が吸収し終わるタイミングです。これから秋にかけて必要な肥料を追肥で与えます。

「最初から全部やればいいじゃないか?」という意見もあるかと思います。しかし最初の量が多すぎると、柿の木は果実より樹体を生育させてしまのです。多すぎても少なすぎてもいけません。また、吸収量が増えるタイミングで与える方が効果的です。

肥料袋に書いてある「10-18-14」という数字は肥料の3大要素「チッソ、リン酸、カリ」の含まれている割合です。与えるチッソ量は、県の研究では1反あたり年間15キロがよいとされています。元肥の分を差し引いて、今年の追肥ではこの肥料を1反あたり2袋(1袋20キロ)を与えました。春の元肥では土づくりの意味もあり有機肥料をたくさん使いますが、追肥は即効性が大切なので化成肥料を使います。

肥料の各成分の役割や、樹木がどのように吸収するかなどはとても複雑です。毎年試行錯誤しています。剪定などもそうですが、農業は奥が深く、まだまだだといつも思います。また、肥料も大切ですが、葉の光合成による養分の方が大切です。ですからバランスよい剪定や、その年の気候の方が影響ありますね。それにしても、いきなり硬い話が長くなり失礼しました(^^; 


2018/7/13の柿畑-001

7/13です。6月末からやっている摘果作業は豪雨を挟んで7/8よりスタートしました。7/8~7/13にかけての気温は34度前後で普通に暑い毎日でしたが、作業できないというほどでもなく、いいペースで進みました。この日までに7割が終了しました。


2018/7/16の柿畑-001

7/16です。さて、7/14と7/15はわが本巣市でも38度と猛烈な暑さとなり作業は休みにしました。近くの揖斐川町が連日39度近くと全国ニュースで報道されていました。人間もしんどい猛暑ですが、柿にとってもあまりよくないです。呼吸量が増え光合成の効率が下がりますし、水不足にもなりますね。

そして暑くなってくるとこのように日焼けした柿がたくさん出てきます。このくらいの軽度の日焼けなら表面だけなので味に問題はありませんが(等級は下がりますが)、もっと黒くなると商品になりません。摘果の際に切り落とします。


2018/7/17の柿畑-001

7/17です。暑すぎて休むべきだと思いつつも、天気予報はしばらく先までずっと38度です。このままでは作業が進まないので朝夕だけやることにしました。う~ん、汗の量が半端ないです。この日は全国の最高気温ランキングで岐阜が5冠王でした! 私は朝夕だけでもクタクタでしたが、日中も工事現場やビニールハウスで働いている人がたくさんいます。本当に頭が下がります。


2018/7/20の柿畑-001

7/20です。もう普通のサイズでもこれくらいになってきています。さて、いつもなら摘果も終わり、少し休憩できる時期なのですが、7/11の夜から雨が全く降っていません。そろそろ土が乾き始めるので、水やりを開始しました。水分は木の生命維持に必要なのは当たり前ですが、木や果実の生育に必要な光合成でも水を使います。また、日焼けの防止効果もあります。富有柿の場合は10日間雨が降らない場合は水やりをします。

弊農園では水やりに3種類のやり方を取っています。簡単なのは畑の横に川が流れていて、そこから直接入れる方法です。栓を外せば勝手に水が入り、水田のように水が張ります。


2018/7/20の柿畑-002

ただ、水は横方向に動き辛いため、川から直接入れる方法は畑全体に満遍なく入らないことが多いです。そんなときに活躍するのがポンプです。


2018/7/20の柿畑-003

このように、ポンプで毎分数百リットルの水を入れます。出しっぱなしにしてもいいですが、それだとやはり横方向はあまり広がらないので、私はできるだけホースを引きながら1本1本に水をかけます。


2018/7/20の柿畑-004

このやり方の難点は、とにかくホースを引くのが重いことと、強い水圧でホースが暴れることです。でも必要な場所に必要な量をしっかり撒けるので、できるだけこの方法でやっています。


2018/7/20の柿畑-005

ホースは連結すれば伸ばすことができますが、それでも届かない畑もあります。その場合は運搬車でタンクを運び、そこから水をやります。このタンクは500リットル入りますが、ホースでやれば1、2分の水量です。水汲みと往復でめちゃくちゃ時間がかかります(笑)

このように水やりは時としてかなりの重労働です。そして、すでに2週間雨が降っていません。近所の農家さんの水を入れれない畑では、葉が萎れてきた畑もあります。さぞかし心配だと思います。天気予報では毎日雷雨注意となっているのでが、はやく降ってほしいです。


2018/7/21の柿畑-001

7/21です。この日は朝から草刈りです! 去年と同じく友人に乗用の草刈機を借りてきました~!


2018/7/21の柿畑-002

以前は大変だった草刈り作業ですが、文明の利器のおかげで広い畑もあっという間! この日は弊農園と友人の畑あわせて1町(10反=3000坪)やりましたが、夕方には余裕で終わりました♪ 手刈りだと10日はかかりますね・・・。いつもありがとうです(^^)


2018/7/24の柿畑-001

7/24です。大きめの柿はもう7センチほどです。今年は豪雨による多雨と猛暑、水不足で柿にはかなりのストレスがかかっていると思います。さらに今週末は台風が接近する可能性も出てきました(;^ω^) 自然相手なので仕方ないこともありますが、なんとか無事に実ってくれることを祈っています!

さて、本日(7/25)、ようやく夕立で少しまとまった雨が降りました。待望の雨です~。これで明日より摘果の残り少しを終わらせて、枝に支柱を立てる作業に入れます♪ そして! いよいよ8月中旬~後半にはHPの更新や今年の販売スケジュールを正式に告知いたします。今のところ、今年も9月中下旬より予約販売を開始する予定ですので、どうかよろしくお願いいたします!

それでは猛暑続きではありますが、どうか体調を崩さずよい夏をお過ごしください。みなさん、ごきげんよう(^^)/

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摘果スタートしましたが、豪雨で生理落果が多発しています(2018/7/9)

みなさん、こんにちは。でらうま柿農園 富有柿.comです。

7月も上旬となりまして、今年の下半期が始まりました。いつもなら「後半戦も頑張ろう」なんて感じでブログを始めるところですが、今回は大変な豪雨が西日本を襲いました。連日のニュースを見てとても胸が痛みます。ありふれた日常が突然壊され、大切な人がいなくなってしまう恐怖。被害にあわれた方々のお気持ちは想像することしかできませんが、少しでも早く復旧がすみますようお祈り申し上げます。

岐阜県でも猛烈な雨が降りまして、県内の広い地域に「大雨特別警報」が発令されました。わが本巣市でも7/7の12時50分に特別警報が出まして、猛烈な雨が断続的に降りました。市内山間部や岐阜の高山や郡上ではもっと大量の降雨だったそうで、県内でも大きな被害が出ました。

そのような状況ではありますが、私たちは日々、自分がやれることをやるしかありません。ブログの更新が遅れましたが、6月中下旬~7月上旬の柿の生育状況や畑の様子などをお届けいたします(画像をクリックすると写真が拡大されます)。


2018/6/22の柿畑-001

6/22です。前回よりふっくらした富有柿の赤ちゃんです。前回のブログで書いたように、生理落果も少し落ち着いてきたようですし、細胞分裂が活発に進むよう摘蕾の2周目を進めています。


2018/6/28の柿畑-001

少し飛んで6/28です。今年も少し面積を増やしているのですが、暑くなってきて作業ペースが落ちてきたことと、雨で遅れがちになるので6/25辺りから摘果(てっか)を始めました。摘果とは最終的に残す果実の選別です。収穫する果実を決定することです。


2018/6/30の柿畑-001

6/30です。暑くてもこんなキレイな青空だと気持ちよく作業できますね。摘果を早くやるのには理由があります。味をよくして、大きな柿を収穫したいというのは当然ですが、もう一つ理由があります。それは隔年結果を防ぐためです。


2018/7/2の柿畑-001

7/2です。今年伸びてきた緑色だった枝が茶色くなっていますね。拡大してみると、枝と葉っぱの間に小さな芽ができています。そうです、柿の木はこの時期、果実を大きくしながら同時に来年の芽を準備しているのです。この芽の中には、来年に葉や蕾へと成長するモトが入っています。


2018/7/2の柿畑-002

十分な栄養があるときは立派なモトができ、果実がなりすぎていると栄養が不足してモトは小さく数も少なくなります。そのため、来年は不作になります。ところが不作の年は果実が少ないので栄養が余りますね。そのため立派な芽がたくさんできます。すると再来年は豊作となります。で、豊作の年は栄養が不足して・・・先と同じですね。このように「なり年」と「不なり年」を繰り返すことを「隔年結果」といいます。

無理にたくさんならせすぎないことで、今年の品質を向上させつつ、隔年結果を防止して来年もたくさん収穫できるようになります。そのため早期摘蕾、早期適正摘果をやっています^^


2018/7/8の柿畑-001

7/3です。スマホの横幅は7.5センチです。大きめの柿はもうこんな大きくなっています!


2018/7/3の柿畑-001

摘果をしながら、このように虫の糞がある所には樹幹害虫のヒメコスカシバなどがいます。今年生えてきた枝や、2年目の枝の根元よくいます。根元を食べられると枝はすぐ折れてしまいますので、ノコギリやハサミでつついて幼虫を処分しましょう!


2018/7/8の柿畑-001

7/8です。5日間ほど雨が続きました。最初はいつもよりちょっと強い程度の雨だと思っていましたが、7/7には特別警報が出るほどの豪雨でした。久しぶりの青空を見ながら、畑を回ります。


2018/7/8の柿畑-002

風が強かったわけではないので、木や枝にはほとんど被害はありませんでした。立派に育っているものはいよいよこのようなサイズです。


2018/7/9の柿畑-001

7/9です。東海地方でも梅雨が明けました。摘果作業を続けながら、追肥をしました。追肥は次回にお伝えします。


2018/7/9の柿畑-002

豪雨が過ぎると、一気に暑くなってきました。今週は連日32度~35度の予報となっています。暑くて嫌になることもありますが、こうやって仕事をできることが幸せなことなんだと思います。


2018/7/9の柿畑-003

追肥をしながら、すべての畑を見回りました。そして、大量の生理落果を見つけました。6月後半に生理落果のピークは過ぎていたと思っていたのですが、豪雨による雨ストレスで追加の生理落果がたくさん起きてしまいました。


2018/7/9の柿畑-003

摘果前の畑はまだある程度の数が残っているので大丈夫ですが、摘果を終えた畑は収穫量が予定を下回ることになります。自然相手は思うようにならないことだらけです。早くやったのが仇となってしまい残念ですが、品質向上を目指してやっていた作業です。ある程度は覚悟していたので仕方がありませんね。でもこれ以上は落ちないでと切に願っています!

さて、摘果は半分ほど進みました。来週には終わることができると思います。外で作業していると、もう蝉が鳴き始めています。梅雨も明け、雨の後は猛暑になってきました。熱中症に注意しながら、残りの作業も頑張りたいと思います。それではみなさん、ごきげんよう(^^)/

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